南鐐 花の宴毬香爐

花の宴 源氏 銀
某家所蔵(参考 26,500,000円)

製作技法 銅平象嵌・龕燈・内朧月彫火舎・金蒔絵共台付
寸法 高 16.36cm 径12.12cm

* * * * * * * * * *

「あずさ弓 いるさの山に まどふかな
           ほの見し月の かげや見ゆると」


桜の宴の夜、
右大臣の六の君(朧月夜)と光源氏が結ばれ、
その別れの際「扇」を取り交わします。
交わした扇は桜の三重がさねの桧扇。
そして次に藤の宴が右大臣邸で催された夜“月のかげ”を
朧月夜にたとえてこの歌で光源氏が問い掛けます。

「心いる かたならませば ゆみはりの
         月なき空に まよはましやは」

と返し、あの日の相手が自分であることを告げるのです。

まさに花(女性)の宴(艶)では、ないでしょうか。